これ以上ベーグルの話ばかり書くと「ベーグルブログ」になりそうなので（笑）、今日は本業のお話。

　「クリームの絞り方を教えてください」という依頼を受けたのでこそっとトレーニング。

　といっても本物の生クリームではなく、ちゃんと練習用のクリームがあるのです。
ショートニングに粉砂糖を適量混ぜたもの。おうちで賞味期限が切れたショートニングで十分です。

　これで天板にひたすら絞っていくのです。

　絞っていて「お、やっぱ体で覚えたことは忘れないね～」と。

　ちなみにこういう練習は大概の職人さん、あるいは仕事に携わる方はやっていると思います。

　私も昔は「絞り」が大嫌いでした。本当にへたくそで、学校で練習の時間があるんですけど、周りの子よりも下手でした。本当に。

　けど、そのころはこの道で生きていくと腹をくくって会社辞めて居候の身でしたので、後戻りもできないし・・・っていうことで、練習しました、毎日。

　しかもスポンジも納得いくものが作れないし、ナッペ（クリームを塗ること）もこれまたへたくそで（笑）

　だから毎日スポンジを１台焼いて、それにナッペの練習で何回もクリーム塗ってはがしてまた塗って、それに絞りの練習もやって、飽きたらクリームをこそげとって（また使うので）、スポンジをまっぷたつに割ってスポンジの状態を見て、ゴミ箱・・・。というのを何ヶ月かしました、本当に。

　やっぱり練習しても練習しても上手にならないんですよ。本当に凹むこと数知れず。
けれども、続けていくうちにある日突然「ふっと」出来るようになるんですね、不思議なことに。

　それからは絞ることも、ナッペすることも苦にならなくなりましたけどね。
今思えばあのときの日々はいろんな意味で懐かしい思い出がたくさんです。

　いっぱい凹む事もあったけど、好きな事を仕事にするんだ・・・っていう意気込みで突っ走っていた頃でした。なんか純粋な時期だったと思います。
・・・って書くと今は？と思うでしょうが、今は今で相変わらず凹む事もありますが、幸せだと思いますよ。